2003年8月26日放映、日本テレビ『おもいッきりテレビ』で、 アルツハイマーや脳の老化予防に、ビタミンEの多いアーモンドが最適であるという 最新のアメリカの研究結果が紹介されました。



アーモンドのコレステロール降下効果

アーモンドを含む食事メニューでコレステロール降下剤 に等しい効果を実現

7月22日、アーモンドを含む食事メニューによってコ レステロール降下剤に等しい効果が得られたことが医学 雑誌Journal of the American Medical Association(JAMA )にて発表されました。この発表はトロント大学医学部 ・栄養学部教授でセイント・マイケル病院内分泌代謝科 医師であるディビット・ジェンキンズ博士によって提案 された「ポートフォリオ食事プログラム」を用いた実験 結果に基づくものです。実験では、コレステロール降下 剤と同等のコレステロール値降下が認められただけでな く、血管障害の兆候であり、心疾患を引き起こす要因に もなるC反応性たんぱく質値の降下も確認されました。

「ポートフォリオ食事プログラム」とはアーモンド、大 豆性たんぱく質、水溶性食物繊維、植物ステロールなど 個々にコレステロール降下効果を持つ4つの栄養素でで 構成された食事メニューです。アーモンドはその中に含 まれた唯一のナッツで、基本栄養素をはじめ、植物性た んぱく質、食物ステロール、食物繊維など様々な栄養素 を豊富に含んでいることから、ポートフォリオ食事プロ グラムを凝縮したような食品と言えます。そして、C反 応性たんぱく質値降下は、アーモンドに含まれる栄養素 の中でも特に含有量の多いビタミンEによるものと考え られます。

「コレステロール降下のための食事療法はその効果が緩 やかなため、薬に比べ効果が低いと考えられていました 。しかし、アーモンドなどの個々の食品の持つ降下効果 は確認されており、先日の米国食品医薬品局によるアー モンドの心疾患に関するヘルスクレームの認定もその科 学的根拠によるものです。そして今回それらの食品を組 み合わせて相乗効果を引き出すことで薬と同等の効果を 得られることが始めて認められたのです。」とジェンキ ンズは述べています。

茨城キリスト教大学教授板倉医学博士は「今回の発表で 、食事処方によっては、薬剤と同等の効果が期待できる ということが示されたということは、意義のある報告と 考えられる。
アーモンドの摂取がコレステロールの低 下に効果があるとする最近の報告をふまえて、FDAが 心臓病の予防にアーモンドを毎日摂取するように、推奨 している。日本食にアーモンドをどのように取り入れて いくか、検討すべき最近の報告と考えられる。」と述べ ています。
3回目となる今回の実験では初めてコレステロール降下 剤との直接比較が行われました。実験は、トロント大学 において通院方式で1ヶ月間無作為に3グループに分け られた46人の高脂血症患者を対象に行われました。3 つのグループの内訳は、全粒小麦シリアルと低脂肪乳製 品を基本とした低飽和脂肪酸の米コレステロール教育プ ログラム(NCEP)Step 2制限食が16人、前 述の食品にlovastatin 20mgを加えた低 飽和脂肪Step 2制限食が14人、植物ステロール (1.0g/1000kcal)、大豆性たんぱく質 (21.4g/1000kcal)、水溶性食物繊維( 9.8g/1000kcal)とアーモンド (14g /1000kcal) というポートフォリオ食事プロ グラムが16人です。空腹時の血液、血圧、体重はそれ ぞれ0週目、2週目、4週目に計測されました。

その結果、悪玉(LDL)コレステロールがアーモンド を取り入れたポートフォリオ食事プログラムで約31% (±3.6%)、コレステロール降下剤入りStep 2制限食で約29% (±3.2%)コレステロール 値が降下したことが確認され、統計学的に差がない結果 となりました。尚、Step 2 制限食においてはわ ずか8% (±2.1%) の降下しか認められません でした。このことからもアーモンドにはコレステロール 降下剤と同等のコレステロール降下効果があることが確 認されたのです。

過去2回の実験も同じ食事メニューで同様の結果が継続 して得られていましたが、今回は直接コレステロール降 下剤と比較し、やはり薬と同等の効果が確認されました 。これは高脂血症を始めとする生活習慣病患者への基本 治療は栄養と食生活の見直しから、という厚生労働省や 健康日本21運動などの指針を後押しするものとなります。
コレステロール値が高い人はもちろん、正常な人もアー モンドなどを食生活に取り入れることで悪玉 (LDL ) コレステロール値を下げ、健康な心臓を保つことが できます。例えば、 間食にポテトチップスなどの食べる代わりにアーモンド を選ぶといったような、ちょっとした変化が健康につな がるのです。






栄養による動脈硬化の予防

―――日本の現状と世界における最近の研究から――――
茨城キリスト教大学生活科学部食物健康科学科 教授 板倉 弘重

 日本では、主要な死因として、悪性腫瘍、脳血管疾患 、心疾患があげられる。脳血管疾患及び心疾患は動脈硬 化によるもので、動脈硬化対策が重要であるとされる。 主要な動脈硬化危険因子は高脂血症、糖尿病、高血圧、 喫煙などであり、これらの危険因子は近年日本人で高率 に認められる。血清総コレステロール値が、240mg /dl以上を示す者の割合は男性12.5%、女性15 .7%である。1996年にあける糖尿病受療率は人口 10万人あたり189で1960年を基準にすると、1 4.54倍に増加している。1997年の糖尿病実態調 査から、糖尿病が強く疑われる人は690万人、糖尿病 の可能性を否定できない人を合わせると、1370万人 と発表されている。高血圧疾患の受療率は、糖尿病より 3倍ほど多い589であり、1960年4.51倍に増 加している。これらの生活習慣病の増加は、動脈硬化性 疾患の増加が示唆され、その対策が急務である。

 動脈硬化進行機序として、LDLコレステロール値の 上昇、内臓脂肪型肥満を基礎とするメタボリック・シン ドローム、酸化ストレスなどがあげられる。したがって 、動脈硬化予防にはLDLコレステロールの低下、適正 体重の維持、抗酸化物質の摂取が大切である。

 現在、LDLコレステロール値を低下させるために、 体内でコレステロール合成を抑える薬剤であるスタチン 剤が広く利用されている。最近米国の学術雑誌「JAM A」に興味深い発表がおこなわれた。高コレステロール 血症に対し、スタチン剤と食事療法との効果が比較検討 され、食事療法の効果がスタチン剤と同等であったと報 告された。これまで、食事療法の効果は弱いとされてき たが、今回の発表で、食事処方によっては、薬剤と同等 の効果が期待できるということが示されたということは 、意義のある報告と考えられる。日本動脈硬化学会で動 脈硬化の新しい危険因子として、認められた高感度C反 応性タンパクが食事で改善がみられたことも、意義のあ る報告と思われる。

 ここで採用された食事処方は最近の研究で脂質代謝に 良い効果のあるとされる食材を組み合わせたもんである 、ポートフォリオ・イーティング・プランと呼ばれるも ので、大豆タンパク、豆乳、食物繊維、植物ステロール など植物性食品で構成されている。このなかに、日本人 が日常的に摂取していない食材が含まれている。それは アーモンドで1000kcalあたり14g摂取するよ うに勧めている。アーモンドの摂取がコレステロールの 低下に効果があるとする最近の報告をふまえて、FDA が心臓病の予防にアーモンドを毎日摂取するように、推 奨している。日本食にアーモンドをどのように取り入れ ていくか、検討すべき最近の報告と考えられる。