2005年産カリフォルニア・アーモンド最終作柄予想8億8,000万ポンドへ上方修正

6月30日(現地時間)、カリフォルニア州農業統計局(CASS)は、今年2005年産カリフォルニア・アーモンド生産量の最終予想を8億8,000万ポンド(約40万トン)と発表しました。ベースとなる予想収穫面積は55万エーカー(223,000ヘクタール)。

主要品種ノンパレルは総生産量の約32%と大幅減産予想に
 この予想量は5月の第1次予想、8億5,000万ポンドから3.5%の上方修正となり、昨年2004年産の9億9,800万ポンド(2005年5月末時点)からは12%の減産となります。 主要品種ノンパレルは前年比21%減の2億8,000万ポンド、総生産量の約32%と大幅減産予想となっています。

 今年カリフォルニアでは、アーモンド開花期間中連続した降雨に見舞われ、受粉は相当制限されたとみられていました。特に早咲きの主要品種、ノンパレル開花期の天候が悪かったため、花の数が少ないうえに開花期間も短く、さらに花が散ってしまうのも早かったといえます。このような条件により、蜜蜂による受粉が不十分だったことが最大の減産要因とみられます。なお、他の品種もノンパレルほどではないものの、結実数が少ないと報告されています。

 調査時点でのアーモンド種実部分の重量、長さ、幅、厚さは昨年値を全て上回っています。全品種一粒当たりの平均重量は昨年比23%重くなっており、昨年に比べかなり大粒寄りとなることが明確になりました。種実部分の固形化は、春以降の気温が低めに推移しているため例年より遅れており、収穫の遅れを示唆しています。

カルフォルニア・アーモンド作柄予想と生産実績

[解説-CASSレポートより]


 カリフォルニア・アーモンドの作柄予想は、アーモンド・ボード・オブ・カリフォルニア(ABC)が資金を提供しているものの、産業、業界の思惑の影響を排除するため、カリフォルニア州政府、農務省の機関、CASSによって実施発表される。
 5月に発表された予想がSubjective Crop Estimateと呼ばれ、アーモンド生育初期(4月頃)に生産者への聞き込み調査を基に算出するのに対して、今回の作柄予想はObjectiveCrop Estimateと呼ばれ、生育中期の農園を実際に立ち入り調査し、客観的、統計学的に算出されるもので一般的に後者のほうが信頼度は高いとされる。
 今年の調査は5月23日から6月19日にわたり、838の農園、1,676本の樹木から摘果調査のうえデータが作成されている。樹木1本当たりの平均結実数は5,461(昨年比24%減)、ノンパレルだけで見ると4,650(昨年比30%減)となっている。
 また、今年摘果されたアーモンドは97.7%が健全な状態および形状であったことが報告されている。
 総生産量はさらに、1粒当たりの平均重量(1.79g、昨年比23%増)、1エーカー当たりの平均樹木数、予想収穫面積(550,000エーカー)といった基礎データをベースにし、さらに収穫時期までの水分の減少等、調整を加えて算出される。
 なお、CASSは今回の予想値に対して、829百万から931百万ポンドの間に最終生産量が収まる確率は80%としている。




サイズ指定の需要が高いノンパレル。小粒は深刻な供給不足を予想
 この発表を受け、カリフォルニア産地生産者、販売業者は2005-06年期の具体的な販売計画を立て、販売に入るものとみられます。市場関係者は、1次予想から減産幅が拡大しなかったことに安堵する一方、産地関係者には3,000万ポンドの上方修正では、大勢に影響はないと受け止められており、主要品種のノンパレル シュープリム新穀に対する唱え値、ポンド当たり4ドル台前半から半ばといった、事前の価格相場を支持する機運が高いものとみられます。
 さらにサイズ指定の需要が高いノンパレルは、極端に大粒寄りとなることが確実で、1オンス当たり粒数25/27、27/30といったいわゆる小粒は、深刻な供給不足が予想されます。

■今期、端境期の状況
現在、産地サプライヤーは総じて2004年産アーモンドをほぼ完売しており、一方2005年産は収穫が遅れることが予想されていることから、新穀の出荷可能時期は例年より遅くなる可能性が高い。したがって今後、8月から9月あたりまでの産地からの出荷分の買い付けは制限され、価格はさらに一段上げとなる可能性がある。 また、昨年秋以来の価格の高騰により減退するとみられていた需要と出荷は、価格の上げ幅に見合うほど減少しておらず、今期末の産地在庫(来期への繰越し)は、2002年以来最小のものとなる見込み。

■来期の見通し
予想生産量8億8千万ポンドから、ロス(4%)を差し引いた販売可能数量は8億45百万ポンドとなるが、ここ数年10億ポンドレベルに達しているカリフォルニアからの出荷量を支える供 給とはならず、物理的に出荷量は調整される事となる。 又2006-07年期への産地繰越し量も小さなものとなる見通しとなっている。 この様なカリフォルニアの供給減少を補うと期待されていた、スペイン、イタリア、ギリシャの作柄は長引く旱魃と熱波により、疑問視され始めている。カリフォルニアの売り手は、ノンパレル、或いは小粒の販売に慎重となると見られ、売り急ぐと言う事にはならない筈である。こうした事から今期、期近渡しの現行相場価格に対して、新物はポンド当り10〜15セント下回る唱え値となっているものの、産地サイドは来期中、基本的に高値が維持されると見ている。

■アーモンド市場の展望
今期から来期への移行、そして来期中の市場は、売り買い共に難局が避けられない見通しだが、産地サイドは現行相場レベルを支える堅調な需要が2005期も継続するとみる向きが強い。とはいうものの、これから先数ヵ月は相場下落するのではという議論が続くと考えられる。たとえば、特定の月の出荷量が減少した、ユーロ安となった、小売市場での高値に対する抵抗がはっきりしてきた、市場在庫の増大した、ある特定市場での消費減退した、といったような微視的材料に基づく市場の反応等である。

3,000万ポンドの上方修正は大きく供給を緩和するものではない
 一方、世界の需給を巨視的にみると見通しは全く異なってきます。アーモンド産業が明らかに処理不可能なほど大きな繰越し在庫を抱えることにならない限り、2005-06年期中に値崩れすることは考えづらく、むしろさらに強含む可能性さえあるとみられます。さらに重要なことは、2005年産アーモンドの売買は12ヵ月間にわたる長丁場であり、現在市場で焦点となっている9月から12月の期間だけの問題ではないということです。
 本日発表された、1次予想から3,000万ポンドの上方修正は、基本的に供給不足がはっきりしている来年秋までの市場にとって歓迎すべきではありますが、全体から見れば大きく供給を緩和するものではないことに留意したいと思います。